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『剣遊記超現代編T』

第五章 これからの未来、わかってないけどやめられない。

     (4)

 治代はつぶやいた。

 

「なんねぇ、あのカメラマン、けっこういい人じゃん

 

 孝乃も缶コーヒーをひとつ右手で取ってから、治代と同じ口調になってつぶやいた。

 

「撮影中は鬼みたいっち思いよったけど、終わったらすっごい温和な人なんやねぇ☻ あれがプロっちゅうもんやろっか?」

 

 やはりここは、本物の一心同体。考える内容はいっしょ――と言うべきだろう。

 

「うまいっちゃねぇ、このコーヒー

 

「ほんなこつ

 

 孝江と治花も、早速ご相伴に授かった。それから友美が、ふっと微笑んだ顔になって、四人相手にささやいた。

 

「でも気をつけたほうがいいわよ☻ わたしの勘なんだけど、中原先生、これが成功したら絶対、写真集の第二弾っとか第三弾を考えるわよ、きっと☛ まずはこのコーヒーで、鞘ヶ谷先生たちのご機嫌取りってとこかしら☻」

 

「うわっち! それはまずかっ!」

 

 孝江は思わず、口に含んだコーヒーを噴き出しそうになった。あとの三人も同じ。

 

「あっ、そうやった☞ お姉ちゃんたちと友美さんに、絶対に言っておかんといけんことがあったっちゃよ✍」

 

 涼子がここで、急になにかを思い出したようだ。

 

「絶対に言っておかんといけん、っちなんね?」

 

 治花を先頭に、全員の瞳が涼子に集まった。

 

「それはやね……☻」

 

 涼子はどちらかと言えば、なんだか楽しそうな感じで口を開いてくれた。


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