『剣遊記超現代編T』 第五章 これからの未来、わかってないけどやめられない。 (21) 女湯が妙な盛り上がり方をしている雰囲気は、男湯のほうにもビンビンに伝わっていた(スーパー銭湯の場合、昔の銭湯と違って、男女の湯は大きく離れた場所にあるものだが)。
肩まで湯に浸かり、カッコ付けて頭にタオルを乗せている砂津がつぶやいた。
「先生たちのとこ、けっこうにぎやかにやってるよなぁ☺」
もちろん和布刈も、女性陣の様子が気になっている感じでいた。
「くっそぉ〜〜♨ ここが混浴だったら良かったのになぁ☠」
さらに荒生田もひと言。
「あの元気だったら、鞘ヶ谷先生たちはまたきっとやってくれる✌ オレはそう確信している✊」
(((((そうだろうなぁ☻)))))
このサングラス😎男の辞書に『懲りる』と言う文字はないようだ――と、彼以外の一同(砂津、枝光、和布刈、井堀、牧山)は違う意味で確信していた。
そんななごやかなところ(?)だった。
「やあ、みんなもここに来とったがやか」
「うわっ! 社長っ!」
「ぶぶっ!」
予想も予測もしなかった新しい入浴客に荒生田がお湯から飛び上がり、牧山がジェットの勢いで噴き出した。今さら言うまでもないが、アシスタントの面々たちも、唖然の思いで言葉を失った。それと言うのもスーパー銭湯の男湯に、なぜだか未来出版社長兼少年ビクトリー編集長の黒崎氏が、これまた予告も脈絡もなしで突然現われたからだ。
このあと男湯でどのような会話が行なわれたのか。話が終わりになるのでもう省くが念のため、黒崎氏はきちんと腰にタオルを巻き、右手に洗面器をかかえたごくふつうの入浴姿で登場した――とだけ記しておこう。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |