『剣遊記超現代編T』 第五章 これからの未来、わかってないけどやめられない。 (16) 同じ浴場にはなんと、荒生田と牧山のふたり組も入浴していた。それもごくふつうに、アシスタントたち四人と完全に同化をして。
その荒生田が言った。堂々と悪びれもせずに。ついでになぜだか、お風呂に入っているのに、サングラス😎はかけたままである。
「オレたちだって、仕事の疲れを癒すためだよ☹ ここんとこずっと骨を折ることばっかりやったから、たまにはオレたちも休んでいいだろ☹」
「それにはおれたちも、特に文句はねえけどなぁ☁ 誰も駄目って言ってねえし☂」
無論和布刈を始め、全員が不納得の顔。どうも荒生田では話が通じそうにもないので、井堀は牧山に訊いてみた。
「あんときは大騒ぎの割には、けっきょく減給程度で済んじゃったよなぁ⛐ それってどうしてなんだろ?」
「うん、それは……☁」
井堀の問いに、牧山はいかにも済まなそうな顔になって答えた。
「鞘ヶ谷先生たちから黒崎社長に、お仕置きはもう済んだけ、もう勘弁してやってもええっちゃよって、話を通してくれたらしいんですよ☃ 鞘ヶ谷先生たちって、なんて心が広い漫画家なんだろうって、ぼくはとても感動しましたねぇ☺」
「ふぅ〜〜ん、そういうことかぁ✍」
真相は意外だが、和布刈は牧山の返答を聞いて、なんとなくだがわかるような気がした。その気持ちは砂津も同様のようだった。
「たぶん……と思うんだけど、先生たちは今度の写真集で、ある意味目覚めてしまったのかもなぁ♐ 男のおれにゃあちょっと理解しづらいんだが、自分の裸を他人から見られるのは、一種の快感らしいそうだ☀ 前に付き合ってたモデルをしてた彼女から、よくそんな話を聞かされたもんだぜ☻ 先生たちは今回の件に、実は感謝してるのかもな☻」
「そう言うこと☞ だからオレは第二の写真集のために、鞘ヶ谷先生たちが再びその気になる日が来るまで、こうしていつも先生の身近にいるわけなんだよなぁ✊」
「それが今夜の呉越同舟の理由ってわけね✍ 要するに、全然反省なんかしてないてことだね☻」
お終いである荒生田の捨てゼリフで、和布刈はすべての謎が判明した気持ちとなった。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |