『剣遊記超現代編T』 第五章 これからの未来、わかってないけどやめられない。 (14) 早い話が押し倒し。
「げぼおっ!」
元孝治たち四人は全員で全体重をかけて、荒生田を会場の床にうつ伏せの格好。呼吸困難の刑にしてやった。
「おおっ! 寝技に持ち込んだぁーーっ!」
一部始終を見ていた和布刈が叫んだ。その他会場のあちらこちらからも、盛大な拍手が沸き上がった。
「どげんね! 写真の横流しば認めるね!」
まさに四人の体で荒生田を抑え込みながら、同じうつ伏せの格好でいる孝江が叫んだ。状況は荒生田を一番下の下敷き状態にして、その上から孝江、治花、孝乃、治代が順に乗っかっている体勢。言ってはなんだが四人とも、自分の胸を荒生田の背中に密着させている大サービスに、誰ひとりまったく気づいていなかった。
「わ、わかった! オレが悪かった!♡ ……気持ちええ〜〜☻☺☻☺」
四人の合計体重(今のところ非公開)をもろに受け、荒生田はほぼ窒息の状態――にも関わらず、なぜかその顔にはなんとも言えない幸福感で満ちあふれていた。
それを知ってか知らずか(たぶん知らない☻)。またもや声をそろえて、元孝治たち四人は叫んでやった。
「「「「これがおれ……やなか、あたしたちのお仕置きばぁーーい!」」」」
この珍妙なる光景に友美は苦笑し、涼子はいつもの口調で突っ込んでくれた。
「お見事……って言っていいのかしら?☺☺」
「それって『お仕置き』やのうて『ご褒美』になっとうっちゃよ☛」
さらにアシスタントの和布刈までが、お終いでよけいなひと言。
「うらやましぃ〜〜、こりゃ本まもんの肉布団じゃねえかよぉ☻♨」 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |