前のページへ     トップに戻る     次のページへ


『剣遊記T』

第六章 我、危険地帯に突入せり。〜霧島山の大決闘〜

     (19)

 あとで聞いた話によれば、南九州屈指の活火山。霧島山系韓国{からくに}岳はこの日、近年稀にみるほどの大噴火を起こした――とのこと。

 

 その噴煙は瞬く間に、遥か上空、成層圏にまで達したらしい。

 

 これらの話は、現場に残って爆発を見学していた涼子が孝治と友美に話してくれた、要するに自慢である。

 

『とにかく凄かったとよぉ! なんつったかて熔岩が空高くまで噴き上がっちゃって、まるで炎の噴水やったと! あたし、ほんなこつ幽霊で良かったっち思ったっちゃよ♡ だって、生きとったらあげなすっごい光景、絶対間近で見られんかったけねぇ♡♡ まあ、これも当たり前っちゅうたら当たり前なんやろうけどね♡♡♡


前のページへ     トップに戻る     次のページへ


(C)2010 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved.

 

inserted by FC2 system