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『剣遊記 超現代編U』

第五章 MAX級ハプニング! 運動会がやってきた。

     (4)

 教室に殺気すら感じさせるほどの、長い緊張の時間が過ぎていく。それでもカンカンガクガクの話し合い(実体はそんな生易{なまやさ}しいものではなかった。むしろ修羅場だったのだが、くわしい描写は省く)の末、一応おんぶ競争の選手陣が決定した。

 

 話し合いの途中で帆柱先生が職員室に呼ばれて教室から出たので、あとはもうヤローばかりでの、実に平和的な(大嘘)会議であった。

 

 とにかく選ばれた選手は、体格が一番デカい進一に、スポーツが万能な永二郎。また、裕志がなんとか、選手の枠に生き残っていた。そしておれは、一番に手を挙げた特権なのか、選手に名を連ねることができていた。これで四人。さて大問題である五人目だが、誰もが予想するとおりの和志である。

 

「ゆおーーっし! これでおんぶ競争の選手は決定したってもんだぜぇ✌ 文句あるやちゃいねえよなぁ

 

 完全に勝ち馬調子の和志が吠えた。これに異議を唱える者が皆無の中で。

 

「くそぉ……いいよ、もう☠」

 

「わかった、わかった☢」

 

 頭にたんこぶを作っている岳純や、目の周りがパンダ🐼状態になっている和秀や正男たちが、渋々丸出しで和志に応えた。

 

 こんな地獄を、おれ自身はよくぞ乗り切って生還したものだ。

 

 お終いで、なぜか主役になっている孝治が、ポツリとつぶやいていた。

 

「先生もみんなも、ぼくの意見、まるで聞いてくれなかったよなぁ〜〜♋」


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