『剣遊記 超現代編U』 第五章 MAX級ハプニング! 運動会がやってきた。 (3) 「ふえ〜〜っ!☠」
孝治自身は思いっきりに困惑の顔だが、話の展開は、もうあとへは戻らなかった。こうなると、次はおんぶ競争に出場する選手の選抜で、またもや大いにモメるに違いない。なにしろバトン役は孝治ひとり。それを背負って走れる選手は、五人だけと決まっているからだ。
今初めて紹介をするが、我らがB組の人数は、総勢三十一人。この中から孝治をおんぶして走ることができる超幸せ者は、たったの五人である。そしておれは……速攻で右手を挙げた。
「和布刈秀正っ! おれがおんぶ競争に出ます!」
「あっ! この野郎、早いモン勝ちしやがってぇ!」
一番に立候補したおれは、たちまち和志を始め、組全体からの総攻撃を受ける有様となった。
「汚ねえぞっ!♨ てめえが孝治と、一番仲がいいこと利用しやがって!」
「そうだっ!♨ そうだっ!♨」
「まあ、待て☁」
ここで帆柱先生が仲裁に入ってくれなかったら、おれは頭に血が昇り切ったクラスの面々から、徹底的にタコ殴りにされたかも。
「話が変な成り行きになってしまったが、とにかく出場希望者は手を挙げてみろ⛑」
「「「「「はーい!」」」」」
その帆柱先生の鶴のひと声で、たちまちおれと孝治以外の、二十九本の右手が乱立した。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |