『剣遊記 閑話休題編V』 第三章 激闘! 悪をつらぬく角一本。 (13) 「それでは未来の我が花嫁よ♡ 再び事件が起きたときも、ともに生死を賭けて戦い抜こうぞ☻」
「うわっち! やっぱ病気が治っちょらんかった⚠」
孝治の背中に巨大氷柱{つらら}が、一瞬にして出来上がった。そんな勘違いの継続と時代錯誤的な迷ゼリフを残しつつ、大門隊長が是美一味を衛兵隊詰め所に連行していった。それらに意気揚々とした態度で、砂津と井堀も隊長に従っていた。
「今度の取り調べは可愛い娘ちゃんばっかしやけ、ほんなこつやりがいっちゅうもんがあるっちゃねぇ♡」
「おいおい、相手がいくら犯罪ばやらかしたからっちゅうても、レディーファーストば忘れたらいかんけね⛔ 犯罪者かて人権はもちろん、黙秘権やらなんやらかんやらいろいろあるとやけ✐✍」
危ない期待に満ちている後輩衛兵の井堀に、砂津が先輩らしい注意勧告をささやいていた。ただしその砂津の目も妙にギラギラしている状態だから、効果の程は怪しい限りだが。
その辺を見抜いてか。秀正が孝治の右耳に、そっとささやいた。
「なんか、衛兵隊もどんどん危なくなってきようっちゃねぇ✄ 一見ハト派みたいに見えるうちから警戒せな、この日本自体がどんどん危ない方向に向かって行きようばい⚠♐」
「うん、同感☻」
ここでも孝治は、コクリとうなずいた。ついでに遅まきながら状況を説明しておこう。孝治はとっくに軽装鎧を着直し済み。すでにトップレス状態から脱却していた(これは芽羅も同じ)。
そのことを残念がる不届き者は少なくないが、これ以上触れる必要もないだろう。
それはそうとして、今回の主役は小森江綾香ちゃんである。 (C)2016 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |