『剣遊記14』 第三章 行け行け! 荒生田和志探検隊。 (30) その前にこれは大事な件なので、全員に言っておかないといけなかった。
孝治はツバをゴクリと飲みながらで、二島や日明たちに、海底で遭遇した怪物について報告した。
「こん池田湖っちゅうか、こん薩摩半島の海にはほんなこつモンスターがおったっちゃよ♋ それも想像ば絶するような怪物やったっちゃね☠ なんちゅうか、ワニとタコの合体みたいな……♋」
「ほんとですっちゃ⚠ わたしも見たんやけ✍」
同時目撃をした友美も、孝治に同調してくれた。
「ほんまでっかぁ……噂は真実やった、言うことでんな✐」
二島も表情を大真面目そうな感じに変えて、孝治と友美の話を真剣に聞いてくれた。さらに日明も同様だった。
「ぬわるほどのぉ……ならばそれこそ、うわたくしが南の鹿児島まで、えれぁあ足を伸ばした甲斐があったというもんがんねぇ⛲」
「甲斐?」
孝治は日明の言葉尻に、なんとなくだが引っ掛かるモノを感じた。
(この日明のおっさん……なんか知っとんやろっかねぇ?) (C)2016 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |