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『剣遊記14』

第三章 行け行け! 荒生田和志探検隊。

     (14)

 でもってけっきょく、その不安感は的中した。

 

「ゆおーーっし! ここにおってもなんもわからんけ、こげなときは水中ば直接調査するに限るばい☀」

 

「うわっち! やっぱしね☠ おれってこの運命から、絶対逃れられん宿命なんやろっか☠☢」

 

 荒生田の無茶ブリは今になって始まった話ではないが、いつもの定番。しかも凝りもせんで、またおんなじことば言い始めたっちゃねぇ――という展開が、孝治の偽らざる本心であった。

 

 ついでにその無茶ブリは、必ず孝治に降りかかるという無茶苦茶な成り行きも。

 

「湖ん中んこつは、とにかく潜ってみらんとわからんけ♐ っちゅうわけで、孝治、おまえ行けっ!」

 

「なしてそげんなるとね♨ 先輩、さっきから言うちょったこつ、いっちょもあきらめちょらんかったんですねぇ☠」

 

 荒生田がニヤリ( ̄▽ ̄)と、前歯を光らせた。

 

「よかよか♡ 読者かて孝治のヌードば期待しよんやけね☆ もっとも中にゃあ、男の女体化ば嫌がっとうアンチもおるっちゃけど、オレは全然構わんのやけ☻♥

 

「誰も先輩の好みなんち、聞いてなかっちゃけ♨」

 

 孝治の精いっぱいの努力である抵抗も無駄だった。しかも今回は池田湖の湖畔のときとは違って、救いの神は現われなかった。そのときは止めてくれた二島も、今はなぜか異議なしの態度でいるからだ。

 

「確かに荒生田はんのおっしゃられるとおり、今は他に方法がないようでんなぁ

 

「ぬわるほどぉ! 中国の古い故事にもあるでにゃあきゃあ、『バケツに手ぇ入らにゃ雑巾が取れにゃあ』とな✍」

 

 日明までが意味不明な戯言をほざいてくれた。

 

「それって『虎穴に入らずんば虎児ば得られん』っちゅうことでしょうが 例えがカケ離れすぎて、丁寧に説明せにゃ誰もわからんことですっちゃよ⚠⛐

 

 今さら空しいとわかっていながら、孝治は日明にも噛み付いてやった。同時にこの時点において、孝治は覚悟を決めた。

 

「わかりましたっちゃよ☹ おれが行けば良かとでしょうが☢」

 

 ついでにメンバーの顔を、ひととおり見回してから、ひと言。

 

「この際やけん、おれひとりっちゅうのは危険やから、誰かいっしょに来てくれませんけ? ほんなこつこの際やけん、贅沢は言わんとですから

 

 孝治はどうせ裸ば見られるとやったら――とのヤケクソ的な思いで、まずは荒生田に瞳を向けた。とたんにサングラス😎の先輩が、頭を横にビュンビュンと振った。

 

「うわっち? どげんしてですか?」


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