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『剣遊記T』

第四章 旅の始まりは前途多難。

     (6)

 すべての準備が、ようやく完了。孝治たち一行の、南国鹿児島への旅立ちの始まりである。

 

 見た目では一応、全員女性ばかりの陣容。旅の依頼人と、その弟子が女性。付き添い兼護衛である魔術師も女性。おまけの幽霊(?)は言うに及ばず、ユニコーンとの合いの子である角付きロバまでが雌だった――と、表面的には“キャピキャピ”な団体となっていた。

 

 中でも極めつけが、一行の護衛を担当する戦士が、これまた女性であるという構成であろう。

 

 ただし、戦士である鞘ヶ谷孝治の正体が、ほんの一週間くらい前まで男性であったという事実。この話は依頼人には隠ぺい(?)された。

 

 本人(孝治)の胸には、『依頼人には内緒☻』がかなりに引っ掛かっているのだが、黒崎店長の「問題ないがや」のひと言で、見事に言い切られた――もしくは強引に話は進められていった。


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