『剣遊記番外編T』 第三章 魔術師と姉妹、三人の旅立ち。 (13) 美奈子と千秋と千夏は峠を越え、和歌山県を北上。大阪平野に入ろうとしていた。
目的は――特になかった。だけど千秋の、まずは大阪市に寄りたいとの希望を美奈子はこころよく快諾したので、上阪の道を選んだわけである。
そんな道中だった。千夏はふと顔を上げ、自分の右側を進む美奈子に尋ねた。
「それでぇ美奈子ちゃぁぁぁん、これから大阪の次ぃ、どこに行きますですかぁ?」
「そうどすなぁ……☺」
美奈子は西の方角に瞳を向けた。
「初めに西国のほうに行くつもりでおまんのや☜ 前から頼まれとった仕事があるよってにな✍」
「師匠、千秋はごっつう頑張るよってにな✌ どないな仕事でもドンと来いやで⛽ で、どんな仕事やねんな✍」
「千夏ちゃんもぉ、やりますですうぅぅぅ♡」
「うふっ♡ それはやなぁ⛲」
街道を仲良く並んで歩きながら、美奈子は双子に話してあげた。
三人がそろって活躍する後日談は、これから四ヶ月ほどのちの話となる。
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