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『剣遊記12』

第六章 サングラスが年貢を納める日。

     (11)

『まっ、こげなもんちゃろうねぇ☻』

 

 そんな(元男の)女戦士の性格など、遠の昔に知り尽くしているつもりらしい。涼子がもはや呆れた顔にもならないで、馬車の窓から外の景色を眺めていた。その幽霊――涼子が眺める馬車の左側には、象のラリーが並んで道を進んでいた。

 

『ねえ、荒生田先輩と博美さん、けっこうええ雰囲気になっとうっちゃけど、あれってどげん思う?』

 

 涼子がささやくとおり、同業者の男女が仲良く、象の背中に前後していた。

 

「そうっちゃねぇ……☺」

 

 友美が涼子に応えた。

 

「荒生田先輩がいつもんとおり、女ん子ばナンパしようっち思いよったら、なんかいっちょん違うみたいっちゃよ♋ なんか真面目に話し合いようみたいやしねぇ✍」

 

「そうっちゃな♐」

 

 孝治も話に加わった。

 

「いっつもおれにやっちょるようなチョッカイとかおさわりっとか、いっちょもしよらんけねぇ♋ 今回初めてっちゅう気もするとやけどこれっち、すっごう不思議なことっちゃねぇ♋」


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