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『剣遊記 番外編W』

第五章 それでも戦士はやめられない。

     (3)

「……あいつ……あたいが言ったとおりにして逃げよったばい……☠」

 

 風に乗って船から遠ざかる紙飛行機の群れを、清美は呆然の思いで眺め続けた。

 

「……あの逃げ足のばたぐるさ……手ごわかおちゃっかもんなんち思いよったばってん……ありゃあプロの『殺し屋』っちゅうもんやなかばい✄ ええとこほんなこつ、盗っ人止まりやろうねぇ☠ あん体やったらどぎゃん見たっち、人ば殺すよか盗みなんかに使ったほうが便利っち思うけねぇ☻」

 

 徳力もまた、やはり呆然の顔付きでありながらも、清美のセリフに同感した。

 

「そぎゃんですよねぇ……自称だけやったら、なんとでも言えますけ✍」

 

 なお、今回とはあまり関係のない、その後の話。殺し屋を自称していた腑阿呂は本当に、その自信を失ったらしい。以後は清美の予測どおり盗っ人への転向を果たし、謎の怪盗となって闇の世界で暗躍をしたという。

 

 作者としては、彼の話の続きを書く気はなし。清美たちの視線に戻るとしよう。


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