前のページへ     トップに戻る     次のページへ


『剣遊記]』

第六章 新人類の誕生。

     (20)

 翌朝。岡山市の中央広場に建てられている、日本の皇室(東側)を象徴するための建国の武神像(飛鳥時代の鎧を着た埴輪型の石像。時々表情を荒々しいモノに変えて、付近の町で暴れ回るという都市伝説があり(嘘))。その台座の所で三人の男たちがスキンヘッドとなって、縄でしっかりとくくり付けられていた。

 

 今さら説明するまでもなし。行政長官と蟻連、有混事の三人組。ついでに建国の武神像の台座のさらに下には桐都下や粗利蚊を始め、多くの子飼いの部下どもが、やはり縄でグルグル巻きの状態。全員が頭をスキンヘッドにされ、路上で魚河岸のマグロみたいに転がされていた。

 

 しかも彼らの前には木製の立て札があって、次のような文章の貼り紙が掲げられていた。

 

 

 『この者たち、権力を悪用して中央政界に取り入り、多くの賄賂{わいろ}を贈った罪状、ここに明白なり。よって闇の裁きにて有罪とす』

 

 

 ご丁寧にも彼らの悪行を示す、証拠の書類も同じ札に掲示。もはや言い逃れもできない状況にあった。


前のページへ     トップに戻る     次のページへ


(C)2014 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved.

 

inserted by FC2 system