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『剣遊記]』

第五章 必殺! お仕置き人参上。

     (4)

 宴もすっかりたけなわ。酒が充分頭に回りきっている配下のひとり――出人が右手のコップを畳の上に置き、座布団からすくっと立ち上がった。

 

「おっ? どげんしたや、出人{でひと}……⛐」

 

 どこに行くのか尋ねる兄貴分の粗利蚊も、酒のおかげでトロンとした目付きになっていた。先ほどのいきり立ちなど、早くも忘れているような酩酊{めいてい}の状態で。これに弟分の出人が、ひと言。

 

「ちょっとションベン⛲」


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