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『剣遊記 超現代編U』

第二章 性転換娘のいる日常。

     (3)

 鞘ヶ谷家の浴室は、そんなに広いものではないらしい。だが妹ふたり(友美と涼子)だけであれば、いつもいっしょに入浴していたと言う。それがこの日の今夜からは、孝治も含めて三人となるわけ。

 

 以下実況(あくまでもおれ(和布刈秀正)が聞いた話)、孝治は脱衣室で上の服を脱いだ。すぐに大きなブラジャーがあらわとなった。これらはすべて、おれの想像(あるいは妄想)。すると友美と涼子が真剣な眼差しで、孝治の胸を見つめたと言う。

 

「おっきい〜〜♡」

 

「お兄ちゃん……じゃないお姉ちゃん、どうしてそんなに大きいの?」

 

「うわっち! こ、これはそのぉ……☁」

 

 孝治は一時的だが赤面した(らしい)。もちろん妹たちの質問には答えられなかった(と言う)。それでもここは、もう風呂場である。なんだか観念したような気になって、孝治は上も下もぱっぱぱっぱと脱ぎ捨てた(と言う。見てみたい😭)。初めに言われたとおり、ブラジャー外しなんかを妹ふたりから手伝ってもらいながらで。

 

 これは一種の開き直り気分であったらしい――と、これはおれの推測。とにかく話を戻す。

 

「凄い! ボンキューボンだわ♋」

 

「ぼんきゅうぼんって、なに?」

 

 孝治は初め、妹――友美の言葉の意味がわからなかったと言う。でもすぐに、友美が答えてくれた。

 

「抜群のプロポーションってことよ☛ 涼子もよく見ておくのよ☞☞ わたしたちの将来はバラ色ってことをね♪ 一番のお姉ちゃんがこんなにおっぱいが大きくてかたちも最高なんだから、同じ血が流れてるわたしたちにも、将来は抜群のプロポーションが約束されてるのよ✌」

 

「うん、最高っ!✌」

 

 小五のくせに、末妹である涼子も、大きく納得した感じでうなずいたと言う。

 

「そんなもんかなぁ?」

 

 だけど、いくら褒め上げられても孝治自身は、ちっともピンとこなかったらしい。それから改めて、自分の真っ裸スタイルを、脱衣室にある鏡に写してみたと言う。これもおれの想像あるいは妄想。

 

 そこで孝治は、ゴクリとツバを飲んだ(らしい)。弁護と名誉のために言っておくが、孝治は決して、自分で自分に惚れ込むナルシスト――とか言うやつではない。だけど鏡に写る自分の女性化した全裸姿には、正直目も心も奪われる思いがしたとも言う。

 

 とにかく見事にハマっていたらしい。体の線は均整が取れているし、容姿も孝治自身が言うのもなんだが、思わず『可愛い……♋』となってしまったそうだ。

 

 ここも想像に任せるしかないのだが(本音はおれも見たい!)、この話にはおれも納得および同感。学校内をパニック状態に陥れた理由も、孝治本人がこのときになって、充分にわかったことだろう。

 

 その衝撃はともかくとして、何年かぶりの三兄妹――いやいや新三姉妹そろっての入浴タイムである。このあとは三人とも童心に戻って、仲良く背中の流しっことかシャワーのかけ合いなんかをして、楽しくバスタイムを過ごしたと言う。

 

 回想シーンはこれにて終わる。

 

 在り来たりな結論ではあるが、そもそも赤の他人であるこのおれに、他家の入浴の様子を、それ以上くわしく言えるはずがないので。いや、それ以上に想像を続けただけで、おれの理性は崩壊寸前なのだ。現に孝治から話を聞いた段階で、おれの鼻の穴から赤いモノが一滴、たら〜りと流れ落ち始めてもいるし。

 

 余談だが、これも孝治が言ってくれたこと。確かに妹ふたりの胸はまさしく成長途上であって、将来自分並みに大きくなる可能性が大だとのこと。

 

孝治のやつ、けっきょく巨乳姉妹になることを、このおれに自慢したかったのか?♨ うらやましい♨(話の筋にはまったく関係ないが、おれにはおれで、姉(律子{りつこ})がいる。しかもこれが、けっこうな巨乳なのだ♋ そしてこれこそおれが、女性のバストについてくわしい理由になる。無論本当に入浴中を覗いたりしたら、実の弟であるおれでも、半殺しの目に遭わされるのだけど☠)


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