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『剣遊記 超現代編U』

第二章 性転換娘のいる日常。

     (10)

 とにもかくにも、孝治もプールサイドに上がってきた。すぐに居並ぶクラスメート全員から、一斉に囃しの声と口笛が鳴り響いた。これにはさすがの天然孝治も、顔をポッと赤くしていた。

 

 それからさらに遅れて、再び北方先生のご登場である。絶対に意識しているのは間違いないと思うが(やはり顔が赤めだし)、北方先生は孝治の存在を、わざと無視するよう自分に言い聞かせているようだ。けっきょくお定まりのセリフから始まるのだから。

 

「で、で、では前とうしろの二列に並んで、準備体操、始めぇっ!」

 

 見事に舌👅を噛んでいる。それはもう置いて、ここでもピィーーッというホイッスルの音とともに、恒例である水泳前の体操から行なわれた。例によって体形に密着している、孝治のスク水姿である。体を曲げたり飛び上がったりするたびに、大きなバストが上下左右にプルンプルンと大揺れし、またヒップのほうもプリンプリンと、たっぷり詰まっているであろう脂肪分を充分以上に震えさせていた。

 

 見た目にはっきりとわかるほどに。

 

 おれもそうだけど、クラスメートの一部はこれに耐えきれず、鼻血を噴き出す者どもが続出した。


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