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『剣遊記 番外編X』

第一章  狙われた(小心)魔術師。

     (16)

「きゃっ!」

 

 空中で待機をしている静香が、その光景の第一目撃者となった。

 

「裕志くん! なんてなからとんでもねえモンの上さ乗ってるなんさぁ!」

 

 また、自分だけ遠くに逃げている到津も、これには大いに驚きの模様。両目を大きく見開くばかりでいた。

 

「あいやあ! 信ちられないあるね! あれ怪物なんてシロモノちゃない、はいごん(島根弁で『大騒ぎ』)するほどの物よ! 強いて言うたらあれは……そげそげ☢」

 

 それからツバをひと口、ゴクリと飲み込んでからの絶叫。

 

「あげなのそげこげ、強いて言うたら……超獣あるねぇ!」


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