『剣遊記 番外編X』 第一章 狙われた(小心)魔術師。 (16) 「きゃっ!」
空中で待機をしている静香が、その光景の第一目撃者となった。
「裕志くん! なんてなからとんでもねえモンの上さ乗ってるなんさぁ!」
また、自分だけ遠くに逃げている到津も、これには大いに驚きの模様。両目を大きく見開くばかりでいた。
「あいやあ! 信ちられないあるね! あれ怪物なんてシロモノちゃない、はいごん(島根弁で『大騒ぎ』)するほどの物よ! 強いて言うたらあれは……そげそげ☢」
それからツバをひと口、ゴクリと飲み込んでからの絶叫。
「あげなのそげこげ、強いて言うたら……超獣あるねぇ!」 (C)2015 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |