『剣遊記14』 第四章 謎の怪竜出現……いやいやもう大決戦! (21) そこへまたもや、なぜか響き渡る、荒生田の高笑い声。
「ゆおーーっし! まあ待て待て✋ 弱った相手ば痛めつけるなんち、あんまし戦士らしか振る舞いやなかっちゃけね✄」
「なん言いよっとですか、先輩はぁ⚠ いっつも自分が、その先頭に立ちよっとでしょうがぁ⚠☠」
なんだか水を差されたような気持ちになって、孝治は荒生田に向け、苛立ち混じりの声を張り上げた。
「それに自分ばっか高見の見物に回ったくせして、妄言もたいがいにしてくださいよ! 先輩がなんもせんとやったら、おれが自分で行きますけね☢☠」
「いんや、そん必要はなか☻」
孝治の剣幕にも関わらず、荒生田はなおもほざくばかり。孝治はこの際、サングラス😎の先輩を完全にシカトして、さっさと攻撃に行こうかと考えた。その孝治のビキニ――もとい背広を変形させたブラを、荒生田がいきなり右手で、ガバッとむしり取ってくれた。
「うわっち!」
孝治の見事な胸が、再び公衆の面前(?)で曝された。
「な、なんしよんですか!! 先輩!♨!」
だがそのとたん、驚くべき事態も続けて発生した。
グギャッ?
なぜかティラノダコラの視線が孝治の胸に集中したのだ。
この状態を待ってか、荒生田が大々的にわめき立てた。
「ゆおーーっし! 見てみい、あのモンスターがこれで♂(雄)やっちゅうことがわかったっちゃね✌」
「そげなこつ言うんやなかぁーーっ!」
孝治は『いきなり』トップレスのまま、真正面からの飛び蹴りを、またも荒生田の顔面に喰らわした。きょうはもうこれで何回目になることやら。数える行為も馬鹿らしかった。 (C)2016 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |