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『剣遊記14』

第四章 謎の怪竜出現……いやいやもう大決戦!

     (14)

「うわっちぃーーっ! こげんなったら、もうヤケクソばぁーーい!」

 

 と、口では叫んだが、実態はまさに『ヤケクソ』の繰り返しばかり。とにかく孝治は再び剣を振り上げ、強敵ティラノダコラに斬りかかった。その剣さばきをスルリとかわし、触手が孝治に襲いかかってきた。

 

 もう何度も繰り返している両者の攻撃方法であるが、実際はお互い手詰まり状態なのだ。

 

「あかん……疲れてきたっちゃ……♋」

 

 当然のごとく、孝治の剣の振り方は、今やふらふらに近い有様。ところが対するティラノダコラのほうも、触手の振り回し方が、しだいにスピードを失っていくように見えていた。

 

「ふぅ〜む、モンスターのスタミナが、どうもガス欠気味になってるようだがねぇ☻ これはうわたくしの予想にちきゃー結果が出とるようがんねぇ✌」

 

「いったいなんば予想しとたっとね?」

 

 ふらふらの足取りで孝治はいったんティラノダコラから離れ、ノンビリ観戦中でいる日明のセリフに噛みついた。この一方で相変わらず、二島の実況も絶好調のようでいた。

 

「全国津々浦々の皆々はん、この大怪獣の絶叫をお聞きください! まさに天地動転! 怒れるモンスターの慟哭が、地上で中継しとります我々の所まで、まるで目と鼻の先のごとく届いて来まんのや この惨状の最中、日明博士は黙して語らず ただひたすらに地獄の戦場と化した池田湖畔を見つめ続けておりまっせ! あんたいったい、なん考えておますんかいな?


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