『剣遊記15』 第三章 無人島、バカンス三昧! (4) 「まいど、おーきに♡ 念願どおりの上々のお島どすなぁ☺ お日様もはんなり照ってはりますし、ほんま海のレジャーには持ってこいの島どすえ☀」
ブリッジを出た美奈子が甲板の手すりから身を乗り出し、右手で太陽の光を遮りつつ、前方の島を瞳キラキラ模様で眺めていた。
そこはまさに天才魔術師がはしゃぐとおり、南洋独特の白い砂浜が美しい南の島であった。
「うっわぁーーい☀ 千夏ちゃん、早く海水浴さんしたいですうぅぅぅ!」
言うまでもないが、千夏が一番、師匠以上に騒いでいた。その右手にはとっくに空気を詰めてある、無色透明花柄模様入りのビニール浮き輪を持っているほどに。
「コレ以上アッコニャ行ケンヨォ。アトハアンタラデ、甲板カラ降リテクレンカノォ」
「やっぱ、完全に接岸は無理っちゃね☢」
孝治はらぶちゃんの渋々そうな言葉を聞いて、ここが遠浅の海岸だと認識した。あとは言われたとおり、甲板からデッキで降りるしかなさそうだ。つまり島までは、泳いで渡ることになる。
それはそうとして、海の水はまさに透明度も抜群。海水の底に透けて見える白い砂が、船の下の海中全体に広がっていた。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |