『剣遊記15』 第三章 無人島、バカンス三昧! (16) 野生児と幽霊の初対面。それからこのあとで千秋が発したセリフは、まさに事態の根本を貫いていた。
「涼子はん、言うたなぁ☛ あんさんなんで、公然と真っ昼間から真っ裸やっとんのや?」
「やっぱねぇ☻ それば言われるっち思うたっちゃよ☕」
孝治も成り行きと展開から考えて、千秋の疑問はそっち方面だろうと、だいたいにおいて事前に予測していた。涼子と友美が他人の空似という件については、長々とした説明(時間の都合でカット✄)でわかってくれたようである。
それはとにかく、千秋の興味の焦点は、やはりその点に尽きていたのだ。
そもそもこの(剣遊記)ワールドでは幽霊の存在自体など、誰もが知っている公然の事実であるからして。無論涼子の返答も、早くから決まっていたようだ。
『これはやねぇ、前にも孝治と友美ちゃんにも言うたことなんやけど、要するに服には魂が無か、っちことなんよねぇ♥ たまには例外もおるっちゃけど、あたしはこのまんまでもいっちょも困ることなかけ、このまんまの格好でおるとやけどね☻ ついでに姿ば見せるのも、あたしが千秋ちゃんにはもう見せてもよか、っち思うたけこげんなっとうとよ☺』
これに千秋は、少しだけ頭を右にひねった格好。
「う〜ん、いまいち納得、っちゅうわけにはいかんのやが、まあほんまもんの幽霊はんが言うとんのやさかい、それでええことにしといたるわ✊✋」
「まあ世の中、腑に落ちんこつがひとつやふたつあったかて、そのまんまで世の中流れていくっちゅうもんやけねぇ✍」
自分自身、説得力がいまいちやねぇ〜〜と自覚しながらも、孝治は千秋の右肩を、軽く左手でポンと叩いてやった。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |