『剣遊記14』 第五章 湖の秘密と後片付けはキチンとね。 (14) その(先輩に対する乱暴狼藉)ついでに孝治は、続いて日明にも振り向いた。もちろん自称IQ870である天災科学者は、孝治のひとにらみなどに、これっぽっちも動じなかった。
「っちゅうことで、あんたにも責任ば取ってもらいたいとやけどねぇ♨」
「ぬわぁーーにを馬鹿なこと言いようがんねぇ☻ このうわたくしに非なる部分など、こそばゆいほどにあらせんのだがにぃ✌ きっとなら今回はごぶれいながら、かんこうがうまく行かずおうじょうこくことににゃっただけじゃにゃあかぁ⛽ とにかくうわたくしは悪くにゃあがや✌ この世紀の大天才であらせられるこのうわたくしが謝る話の展開なんど、わやなほどに有り得んがねぇ! まあ研究途上の新生物をぼっさい(名古屋弁で『カッコ悪く』)うしなえる失敗はあるかも知れんがね、このうわたくしの偉大なる大研究には、ミジンコほどの間違いもにゃあのだがやあ✌」
「ええ加減にせぇーーっ!」
長い御託にキレた孝治は、日明の顔面にも飛び蹴りを喰らわしてやった。
「ぎょえーーっ!」
なぜか牛乳瓶の底メガネにヒビひとつ入らない珍現象は、これまた荒生田のサングラスの場合と同じ。そのサングラス戦士と同じ方向に飛んだ日明が、やはりティラノダコラによって、ガッシリと胸で受け止められる格好となった。
あとは同じパターンの繰り返し。荒生田と共に触手で締め上げられた日明も、断末魔の悲鳴を上げる顛末。
「ぐえぇーーっ! ぐ、ぐるじい! この偉大なる創造主様を、さっさと自由の身にするがんねぇ!」
これを下から眺めている友美と涼子(発光球スタイル)が、そっと孝治にささやいた。
「日明さん、あれ絶対反省なんかしとらんちゃね✄ まあ方法の失敗の反省だけはしとうみたいっちゃけど⛔」
『そうそう、あたし思うっちゃけど、人間っち小手先の失敗の反省はまあするっちゃけど、根本的に間違っとうことしたっちゅう反省っち、滅多にせんもんやけねぇ⛐』
「おれもそう思うっちゃね♐」
孝治も友美と涼子に同意した。トップレス姿のままで。
「確かに涼子の言うとおりっちゃね☁ 例えば戦争なんかで、作戦に失敗したことはよう反省するっちゃけど、戦争やらかしたこと自体には、ほんなこつ反省せんもんやけねぇ☠ 今回の日明さん、これに懲りんでまたおんなじ研究と実験ば繰り返して、また新しい騒動ば持ち込んでくるような気がするっちゃよ☂☃」 (C)2016 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |