『剣遊記W』 第二章 究極の焼き肉。 (6) 厨房に向かう途中の廊下で、裕志は荒生田から、とてもきつい質問を受けた。
「で、ワイバーンはどげなかたちで厨房にあるとや?」
「うっ……☠」
裕志の浮かぬ顔付きが、『かなり』から『ますます』に変化した。
「……そ、それがぁ……ぼくと由香……一枝さんとで頼みに行ったときには、ワイバーンはもう解体されたあとでしてぇ……あれで先輩が満足してくれるかどうかぁ……☠」
これに対する荒生田の回答は、実に明快。
「構わん☆ そげなことは見てから決めるとやけ✌ で、もしオレば満足させんかったら、そんときはおまえを蹴るだけやけね✌」
「そ、そげなんありなんですかぁ……☁」
このように、世にも情けない弱音を吐く裕志。そんな彼氏の後ろ姿を見つめながら、あとから続く由香は、ある誓いを心に決めていた。
(裕志さんったらぁ……ほんなこつ荒生田先輩に頭が上がらんとやけぇ♨ いいっちゃよ♐ 先輩がこれ以上裕志さんばいじめたら、あたしがリベンジしてあげるとやけ✄✌) (C)2011 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |