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『剣遊記 番外編X』

第三章 巨大怪獣、神戸港に出現!

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この衝撃でグアッガァァァァンと、周辺に大量の土砂やガレキがばら撒かれた。

 

「ゆおーーっし! こげんして見たら、なかなかツヤつけとうもんやなかねぇ バルキムって野郎はよぉ☀」

 

 速攻で安全地帯――到津の背中に乗っかり、早くも空中からの高見の見物としゃれ込んだ格好。荒生田が眼下に見えるバルキムの、それなりに感じさせるカッコ良さで、自分自身がなんだか気分の高揚が抑えられないような興奮ぶりを見せていた。

 

 もちろん静香も、到津の右横で飛翔中。こちらもこちらで、テンション高めでいた。

 

「素敵ぃ♡ いよいよ始まる、大怪獣同士の超肉弾戦なんだのぉ☀ あたしってこれさ見るために、きっとこの世に生まれてきたんだがねぇ☆」

 

 これでは誰がどのように聞いても、まったく大袈裟の極み。両方の瞳をキラキラと輝かせながら、大きな声で叫んでいた。

 

 そんなふたり(荒生田と静香)を横目に、やはり到津の背中に跨っている裕志は、再び返ってきた高空酔いに耐えつつ、『なんだかなぁ?』の思いでつぶやいた。

 

「……大きい声じゃ言えんとやけどぉ……うぷっ☠ やっぱしこんふたりっち、似たモン同士みたいなんよねぇ……♋」


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