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『剣遊記11』

第四章 密猟王黒ひげ。

     (6)

「沙織さん、先輩の前やけ、ええカッコ見せたいっちゃね、きっと☻」

 

 沙織たち三人がいなくなってから、孝治は彼女の本心を見透かしたつもり。そっとささやいてやった。

 

「駄目っちゃよ☹ そげなこつ言っちゃあ……☁」

 

 そんな孝治を諌める友美自身も、次のひと言を付け加えずにはいられなかったようだ。

 

「でもけっきょく、また泰子さんば風にして連れてっちゃったちゃねぇ♠✈ 沙織さんってどげんして、友達ばあげん散々利用できる性格なんやろっか?」

 

 その解答に、孝治は心当たりがあった。

 

「そりゃなんちゅうたかて、あの店長の従妹なんやけねぇ☻ おれば始め、人ば思いっきり使いまくるんは、きっと黒崎一族の血統ばいね✌」

 

「それもそうっちゃねぇ✍」

 

 我ながら説得力あるっちゃねぇ――と自覚している孝治の私見に、友美も深々とうなずいてくれた。


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