『剣遊記11』 第四章 密猟王黒ひげ。 (6) 「沙織さん、先輩の前やけ、ええカッコ見せたいっちゃね、きっと☻」
沙織たち三人がいなくなってから、孝治は彼女の本心を見透かしたつもり。そっとささやいてやった。
「駄目っちゃよ☹ そげなこつ言っちゃあ……☁」
そんな孝治を諌める友美自身も、次のひと言を付け加えずにはいられなかったようだ。
「でもけっきょく、また泰子さんば風にして連れてっちゃったちゃねぇ♠✈ 沙織さんってどげんして、友達ばあげん散々利用できる性格なんやろっか?」
その解答に、孝治は心当たりがあった。
「そりゃなんちゅうたかて、あの店長の従妹なんやけねぇ☻ おれば始め、人ば思いっきり使いまくるんは、きっと黒崎一族の血統ばいね✌」
「それもそうっちゃねぇ✍」
我ながら説得力あるっちゃねぇ――と自覚している孝治の私見に、友美も深々とうなずいてくれた。 (C)2014 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |