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『剣遊記 超現代編U』

第四章 史上最大級の危機襲来!

     (8)

 人はこれを、『史上最大級のラッキースケベ💛』と言うかもしれない。だが現実のおれは、酸素欠乏による致死寸前の有様なのだ。

 

「もがあーーっ! むげえーーっ!」

 

 おれは儚{はかな}い抵抗を承知で、少なくとも自由になっている両手と両足を、思いっきりにジタバタさせた。するとそれが幸いしたのか、おれに圧し掛かっていた孝治の裸体が、ようやく右横にズルリとすべり落ちてくれた。

 

 おれは大急ぎで深呼吸。肺に新しい酸素を送り込んだ。

 

「うわわわわっ!」

 

 そこでおれは思わずだが、大至急で目をつぶった。その理由は湯あたりで失神中である孝治のオールヌードが、浴場のタイルの上で大きく、うつ伏せの状態であらわとなっているからだ。

 

つまりこれまた、孝治の背中からお尻にかけてが、完全無防備大公開の事態。

 

 これはいったい、幸なのか不幸なのか。おれにも完ぺきにわからない有様だ(とにかく一番見えてはいけない――もちろん見られてもいけない仰向け――つまり前からの眺めからは、一応逃れられているけど)。

 

 それでもおれ自身、自分の下の部分を過敏に反応(?)させるどころではなかった。おれはあとで思えば半狂乱の有様で(腰にはしっかりと、タオルをずっと巻いていたようだ✌ その辺の記憶が、まったく無いんだけど✄)、孝治のあらわとなった裸身――いや背中に、水道から出して洗面器に入れた常温の水を、バシャンとぶっかけてやった。

 

「孝治っ! しっかりせんか!!」


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