『剣遊記 超現代編U』 第四章 史上最大級の危機襲来! (7) 「おいっ! しっかりせい!」
反応が無いのは承知のうえ。おれは力が抜けきっている孝治の両脇に背中から手を入れ、大急ぎで湯船の中からタイルの上まで引きずり上げた。
「わわわっ!」
おれはここで大ドジを踏んだ。つまりタイルですべって転んだわけ。
「わぷっ!」
このときなんでこうなるのか? 孝治の両脇に背中から手を入れ、うしろ向きに引っ張っていたおれのほうが、なぜか下敷きの格好になったりする。
おれが背中からタイルの上に倒れるような格好で。しかも『泣きっツラに蜂』とは、まさにこのこと。孝治は孝治で、なぜか背面からうつ伏せの格好に逆転して、仰向けで倒れているおれの上から、ドサァッと覆いかぶさってきやがった。
体に一糸もまとっていない、もろトップレスの生まれたまんまのあられもない姿で。いや、厳密に言えば、生まれたときとは大きく変化をしているのだが。
「うっぷうーーっ!」
とにかくおれの真上から、孝治の見事なDカップの豊乳が、ドババァーーと圧し掛かってきたもんだから、これはたまったものではない(しかも生{なま}!!)。おれは破壊力有り過ぎな脂肪の塊に鼻も口も完全にふさがれ、究極的呼吸困難に陥った。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |