『剣遊記 超現代編U』 第四章 史上最大級の危機襲来! (2) 「次はB組の入浴の番だぞぉ!」
「ふぁ〜〜い☁」
担任の帆柱先生から言われて、おれは畳の上からゆっくりと腰を上げた。
おれ自身はお風呂に早く入りたかったが、正直言って、ヤローばかりの集団である。入浴タイムに疲れ取りを求める要素以外、いったい他にどんな喜びがあると言うのだろうか。
それでも先ほどから言ってるとおり、おれ自身は風呂に入る気力が乏しいB組の面々の中では、一応積極的なほうと言えるだろう。おれは自分で望んだわけではないが、一番でセンターの大浴場へと足を向けた。
おれのあとについて来る者は、まだいなかった。
まあ、ここはさすがに青少年研修センターだけあって、風呂場そのものはリゾートホテルのような豪華ジャングル風呂などではなく、ごくふつうの町の銭湯風だった。無論浴場内は、飾りっけも色気もなし。これでは町の銭湯のほうが、にぎやかなポスターや自動販売機でのコーヒー牛乳が飲めたりしてで、サービス面ではよほど充実していると言うものだ。
そこまで考えて、おれはふとつぶやいたりする。
「……なんて思ってるけど、銭湯なんて一回でも行ったことあったっけ? 家族旅行でホテルっとか旅館の風呂なら行ったことあるけどなぁ♣☺」
なんてつぶやいてる脱衣の間も、けっきょくおれはひとり。それでも定番で腰にタオルを巻いて、おれは風呂場に入る扉を、ガラッと開けた。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |