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『剣遊記閑話休題編U』

第四章 ヴァンパイア娘、危機一髪!

(9)

「ちぇっ! 行ってしもうたばい☠」

 

 などと口では舌打ちを繰り返しつつ、祐二の表情は、サバサバとした晴れやかそのものだった。

 

「そやけど、今まで会{お}うた中ではオイ好みの、いっちゃん美しかよめごやったねぇ〜〜♡ いっぺん裸も拝ませてもろうたし、これでええっちしとこうばいねぇ♡」

 

 そこへ最後のひと太刀! いったいどこに隠し持っていたものやら。父――清滝氏のハリセンが、双子の弟の脳天に、バチンッと見事炸裂した。

 

「いってえーーっ!」

 

 両手で頭をかかえてしゃがみ込む祐二に、清滝氏のカミナリが炸裂した。

 

「おちゃっか(熊本弁で『生意気』)もぉーーん! あごばっか叩くけぇわらには店ば任せられんとばぁーーい! あしたっからびゃんびゃん商売人の基本ば叩き込んじゃるけぇ、今から覚悟ばしときやぁ!♡」


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