『剣遊記15』 第二章 開運! 美奈子の大当たり☆ (20) 孝治は水着に着替えた。
サービスシーンはカット。
「なんね、こん格好ば!」
しっかりと着替え終わったところで、孝治は勧められた水着の異様ぶりに気がついたりする。
「こげなそーとー目立つオレンジ色のビキニなんち、おれ恥ずかしゅうて着れんばい!♨」
『見事に着こなしとうくせに?』
涼子がバッチリと突っ込んでくれたとおり、文句をほざくには遅過ぎた。それと言うのも、友美が孝治に勧めてくれたビキニとやらはかたちこそふつうなものの、色が鮮やかなオレンジ系統に赤とピンクの混じった斑模様。これで砂浜を歩けばたちまち、浜辺で集う野郎どもの視線集中を受けるには、充分過ぎるシロモノだった。
それを孝治は着用しきってから、いろいろ文句を言ってやったのだ。
「そげん言うたかて、着てから苦情ば言われてもやねぇ☻」
文句の矛先を向けられた友美も、ここは苦笑以外に浮かべる表情が無いようだ。かと言って孝治も、もうあとには引けなかった。
「これじゃほんなこつ恥ずかしゅうて、こんまんまで街も歩けんばい♋ おれ、男どもの見せモンになるのは嫌やけね⚠⛔」
『孝治ったら、なんか勘違いばしちょうみたいっちゃね☻』
なおも食い下がる思い満々でいる孝治に、涼子がピシャリと言ってくれた。
『あたしたちっち別に、今から海水浴ば行くんやのうて、こん船に乗って太平洋一周航海の冒険に出るんやけ✈ やけん人ん目ばいっちょも気にせんでよかろうも✌ それとも孝治は、それより他んこつ考えよたっとね?』
「うわっち! そうやった✋✋」
そこまで言われてようやく孝治も、初めのテーマを思い出したりする。
「今回の冒険は美奈子さんに誘われて、スケベ野郎もなんも心配いらん、優雅な船の旅やったばいねぇ⛵ やったらこんビキニで、ヤローがひとりもおらん船内ば歩き回ったって、それこそ気にすることはいっちょもなかったんよねぇ☀」
「そうどすえ✌ うちのこと、ほんま忘れんでほしいものどす✐✎」
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