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『剣遊記U』

第六章 城門の魔獣。

     (16)

 そんな孝治と秀正のうしろでは、荒生田と裕志のふたりがが、また新たなひと悶着をやらかしていた。

 

「裕志ぃ! てめえ火炎弾の命中ば失敗させやがってからにぃ! おまけにほんとはオレば狙って撃ちやがったろうがぁ! いったいなんの恨みがあるとけぇ! ついでにいったい何年、魔術の修行がしよたtんじゃい!」

 

「す、すみましぇ〜〜ん 慌てとったもんやけ、狙いが思うたほどうまくいかんかったとですよぉ☃ それと修行は五年ですぅ……☁」

 

 これではほとんど、言いがかりのための言いがかり。荒生田が裕志を羽交い絞めにしてのタコ殴りを繰り返す。

 

 見ようによっては、実に器用なやり方で。

 

「せ、先ぱぁ〜〜い☂ い、い、痛いですけどぉ☂☃」

 

「じゃかあしぃーーっ! 先輩様からの愛のお仕置きじゃーーい!」

 

 この麗{うるわ}しき先輩後輩が遊んでいる間に、孝治たちは『どうぞご勝手に☠ お先に失礼☠』と、古城への潜入を開始することにした。

 

 ほんとにしょうもない、おふたりなんだよなぁ〜〜☂☠☃


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