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『剣遊記閑話休題編T』

第二章 離れ小島の海の家。

     (9)

 同時刻。海の家とは正反対側になる島の岩浜に、一隻の壊れかけた木造の小型ボートが乗り捨てられていた。しかしこれは、どこかのボートが勝手に無人で漂着をしたわけではなさそうだった。なぜならそれは、明らかに人がなにかの目的を持って、島に接岸をさせた感じであったから。

 

 その証拠にボートはしっかりと、ロープで浜辺の岩に繋がれて固定されていた。


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