『剣遊記 超現代編U』 第三章 真夏の浜辺の逆ハーレム? (7) 海水浴場に近いだけあって、コンビニの中での鞘ヶ谷三姉妹(?)のビキニ姿は、周囲と比べてそれほど珍しさを感じさせるものではなかった。それでも大中小のビキニスタイルが店内を歩き回る光景は、見ているおれにとっても、なんとも言えない女性の魅力を感じさせてくれた。
「なにニヤニヤしてんの?」
「あっ、い、いや……なんでもねえ♋」
孝治に言われて、おれは慌てて頭を左右にブルブルと振った。それはとにかく、ショッピングは始まった。
「やっぱり外が本当に暑いときは、あとでノドが渇くアイスより、かき氷タイプのほうがいいと思うわよ⛑」
「ふぅん、そういうもんなの?☺」
そのショッピングは、友美ちゃんの主導で行なわれていた。孝治は言われたとおり、アイスショーケースの中から、いろいろな種類のカップ入りかき氷を取り出し、左手でかかえている買い物カゴに入れていた。
ここでもおれは傍観者なのだが、自分のことはともかく、考えてみれば誰がなんの好みなのかを全然訊いていなかった。だからけっきょく、孝治も適当に各種シロップのかき氷を詰め込むだけとなっていた。
それからレジで会計を済ませ、コンビニの外に出たときだった。
「へい♡ そこの可愛いお嬢ちゃんたち♥☛」
孝治たち三姉妹(?)が、いきなり顔も知らない若いニーちゃんから声をかけられた。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |