『剣遊記 邂逅編T』 第一章 出逢い……そして永遠に。 (9) 「あ、兄貴ぃ〜〜☁☂」
コボルトのやつ、おれの嘘ば真に受けて、すっかり弱気になってやんの♥
「にぃ〜〜〜〜✌」
こん機ば逃さんで、おれはさらに間延びした数え方ばしてやったと☻
これは言うてみれば、脅し方の初歩っちゅうもんやね✌ なんせさっさと手早く数えてしもうたら、ハッタリがハッタリっちバレてしまうもんやけねぇ☻
「さぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん〜〜〜〜〜〜〜〜🙌」
「くっ……♋」
兄貴(ヒゲ面)の顔からは、冷や汗😅がタラタラと、何粒も流れ落ちようばい☻ こげんなったら、あともうひと押しやけ✌
「しぃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜💀」
「こ、こらやおないで! わしら逃げたほうがええんとちゃうか!」
もうひとりの人間(特徴なし)のほうも、コボルトと同じで小心者のようやった☺ まあこげな連中やからこそ、こげな山ん中で悪さばっかしするっちゃろうけどねぇ☢
「ごぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜☢」
「ま、待っちゃりや!」
とうとうやせ我慢が限界になったみたいやねぇ✌ 兄貴分が降参の意ば示してくれたばい✋ これでもしハッタリが効かんかったら、あとはほんなこつ斬ったはったしかない場面やけ⚠ おれとしては実に大助かりな話の展開なんやけ♡♡
「わ、わかったけ♋ オレたちはこっから消える☠ やきー斬らんでくれぇ☠ 頼む☂ お、おい、行くっちゃぞ☃」
「へ、へい……☁♋」
「待ってや、兄貴ぃ……☂」
降参した三人組は、あっさりとおれ――それから女魔術師の前から退散してくれたっちゃ♡ これはまさしく、絵に描いたような、白馬の王子による姫の救出劇――っちゅうてもよかやろっか? しかも割と早く、数字の『五』の段階で降参してくれたけねぇ♡ そうでなけりゃ、おれは十数えるまで、いったい何時間かけんといけんとこやったんやろっかねぇ?
「ふぅ……☀」
とは言え、三人が完全に立ち去ったのを見計らってから、おれは深い安堵の息ば吐いてやったと☕ たったこんだけの仕草でも、やつらに見られたらヤバいことになるとやけ☠ で、おれが次に取った行動は、当然これやった★
「あいつら行っちまったばい……もう安心しや☺」
連中からいじめられていた女魔術師に、安全宣言ば告げること☀ やけど彼女はそげなこと、もうとっくに関心がない面持ちやったと☃
「あなたってほんなこつ、女ん子みたいな男ん子なんやねぇ……でもしっかりと、喉仏は出とうみたいやけど☞」
「うわっち!」
自分が危機から脱したことば、早くも忘れちょうみたい☠ それよかおれの顔ばっかジロジロと、失礼にも眺め回してくれるばっかしやった☢
おれはもちろん、彼女がセリフば言うた時点で、その場に転んでしもうたっちゃね☠ (C)2014 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |