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『剣遊記 邂逅編T』

第一章  出逢い……そして永遠に。

     (10)

 山から下りる道すがら、女魔術師は今もなお、おれにベタベタとくっ付いとった☹

 

「ほんなこつ不思議っちゃねぇ☞ こげな顔ばした男ん人がおるなんち、正直言うっちゃけど、わたし初めて見るっちゃよ✍」

 

 おれは不貞腐れ気分で返してやったっちゃね☠

 

「正直はどげんでもよか♨ それよか『こげな顔』で悪かったっちゃねぇ♨ それよか助けてもらった礼のひと言でも言えんのけ♨♨」

 

「あっ☆ ごめんなさいね♡ とにかく助けていただいて、どうもありがとうございました☀」

 

 女魔術師がおれの前に立ち、ペコリと頭ば下げてくれた⛑ かたちばかりの『とにかく一応言っておこう☕』が見え見えな、軽くて心のこもっちょらん虚礼みたいなやり方やった♨

 

 まあこの際、そげな些細(?)なこつ、もう問わんことにするっちゃね☹ それよか問題なんは、もうすぐ街ん中に入るとに、一向におれから離れようとはせん、彼女のおかしな態度やった♋

 

「で、いつまでおれについて来るとや? もう連中は消えたっちゃけ、自分の家に帰ってもよかろうも♐」

 

 確かに今は昼前で、女ん子がひとりで街ば闊歩ばしたところで、なんの問題もなか――っちゅうところやろう♬ そやけどおれがどうこう考えてようと、彼女はまるで関係なしのご様子⚑

 

「よかやない♡ せっかく助けてくれたんやけ、わたしになんか恩返しばさせてっちゃ♡」

 

むしろ明るい笑顔になって、おれの周りばウロチョロするばっかし⚐

 

 でもよく見れば彼女、けっこう可愛い顔ばしちょったりして☆

 

「なんジロジロ見よっとねぇ……なんか恥ずかしいやない☻☺」

 

 おれの顔ばシロジロ見よったくせして、それを自分に置き換えたら、逆に恥じらいば感じるものらしいっちゃねぇ♋ 女魔術師がポッと、顔ば赤らめてやんの☛ この仕草、確かに可愛らしいっちゅうたら可愛らしいっちゃけどねぇ☁ でも半分ムカついとうせいもあるっちゃね♦

 

「それはおれのセリフったい♨ やきー、もういいけ、うちに帰るっちゃよ♐」

 

 おれはつい意識的になって、さっきと代わらんセリフば繰り返してしもうたと☠

 

 やけど彼女も頑固モンやった☹ 女魔術師はおれん前から一歩も身ば引こうとはせんで、それどころか真逆の行為⛅堂々と胸ば張って言い切ってくれたっちゃよ✄

 

「やけん、さっきから言うとうでしょうが! あなたに恩返しするまで帰らんけね!」

 

 彼女はかなりムキになっちょった⚠ そやけどこげんなったら、おれかて売り言葉に買い言葉っちゅうもんやけ♨

 

「それやったら、どげな恩返しができるとや? 今すぐおれに見せてみいや✄」

 

 すぐに返事が戻ってきた♐

 

「ええ、よかよ♨ まだ恩返しっちゅうモンでもなかけど、一応わたしの実力の一端ば見せてあげるけ✌」

 

 半分から四分の三くらいまでムカつきが増してしもうたこんおれば前にして、彼女は少しも身ば引かんかったと⚔

 

 とにかく強気なセリフの繰り返し♲ これは彼女が持っちょうらしい、もともとからの強情な性格なんやろっかねぇ✎✍


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