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『剣遊記 邂逅編T』

第一章  出逢い……そして永遠に。

      (26)

 安モンやった割にはおれの剣は、見事な斬れ味ば発揮してくれたっちゃねぇ♥ 無名の剣匠の腕前は、それなりに上出来やったっちゅうことけ♥

 

 とにかくおれの振り下ろした剣が、吊り橋のロープば見事、バキィッと切断してくれたっちゃ♥★

 

 無論ブチブチブチッ バキキキキッと、吊り橋がみるみる崩れ落ちていったけねぇ♋

 

 中年戦士と盗賊(こっちでそげん思うちょるだけ)。それと山賊御一行様を、おれはほんなこつ道連れにして☠

 

「わわわぁーーっ!」

 

「なんちゅう馬鹿んこつしようとやぁーーっ!」

 

「ぎえーーっ!」

 

「落ちるばぁーーい!」

 

 もはや山賊も戦士も盗賊(?)も、一切関係なしやった⚠ 橋の崩落といっしょ⛠ 全員が次々下を流れる川へと落下⛔ もちろんヘカトンケイレスとて、例外ではなし(こいつ、けっきょくなんやったとや?)⛅

 

 さらに言うまでもなく、おれもやけどね☂

 

「ざまぁーーみぃーーっ☆☆☆」

 

 谷底に落ちながらも、おれ自身の気分ってもんは、ある種の高揚感みたいなもんに満ちあふれちょったと♡ これはおれば舐めきっちょった連中の鼻ば、最後の最後で見事に明かしてやった――っちゅうところやろっか☀✌

 

 やけど痛快やった気分は、すぐ水に溺れる恐怖感に、取って代わられてしもうた✄

 

「うわっちぃーーっ!」

 

 はっきりと申して、怒り心頭に達した瞬間やった☆ おれは完ぺきに、自分のことば忘れてしもうとったと☹ やけども、もう後の祭り☠ このうえは川の流れがおだやかで、水深が浅いことを神に祈るだけやった⛪

 

 ところが――やった⚽


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