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『剣遊記 邂逅編T』

第一章  出逢い……そして永遠に。

     (24)

 初めは自分のことば言われたなんち、いっちょも思わんかったけ♋ やけん周囲ばキョロキョロしたりもしたっちゃ☚☛ ところが山賊の親分が、よけいなことに断言してくれたっちゃねぇ☠

 

「おまえやっちゅうと! そこのオカマ野郎がぁ!」

 

「うわっち! お、おれんことぉ!?」

 

 親分が右手で直接おれば指差したのを見て、ようやく自分自身ば言われちょうことに気がついたりしたっちゃ★

 

「クソにぶいガキっちゃのう☞ おまえもどうやらそいつの仲間んようじゃが、小遣いはいくらもろうとんかいのぉ☻ やきー悪いことは言わんけ、さっさと帰って女装でもしといたほうがええけんのぉ♥ そん顔にピッタリなお化粧ばしてやねぇ☻ 今ならお尻ペンペンで勘弁してやるけねぇ☻☠」

 

 とたんに橋の両側で陣取ってる山賊どもの間から、一斉に下品極まる笑いが湧き起こっちまったたい♨

 

「ぎゃははぁーーっ! おまえ、そん顔で男やったとけぇーーっ☆」

 

「完全に職業ば間違えとうっちゃねぇ♐☠」

 

「うわっちぃーーっ!」

 

 これにて、ただでさえ上昇気味やったおれの血圧が、一気に沸点ば高めたんは、今さら言うまでもなか♨ おまけに――やった♨ まるで山賊どもと調子ば合わせるみたいにして、中年戦士までが言うてくれたったい♨

 

「おめえらに言うておくが、この女みてえな顔のガキは、俺たちの仲間やなかけんな! 勝手について来ただけったい!」

 

 カチーーン☀

 

 こいつ、まだおれんことば女性呼ばわりしよるったいねぇ♨ そやけどあとで冷静に考えてみれば、おればこれ以上巻き添えにせんための、言わば温情やったかもしれんたい♣♠ けど今のおれは、そこまで深読みする頭ばのうならかしとったけ✄ それよかよけいな災難に巻き込まれたうえ、なしてそげんまで言われにゃならんとね――そげな怒りんほうが先に立っちまったばい☠


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