前のページへ     トップに戻る     次のページへ


『剣遊記 邂逅編T』

第一章  出逢い……そして永遠に。

     (22)

「おまえらどげんして先回りできたとやぁ!」

 

 おれが是非とも訊きたかったことを、中年戦士のおっさんが、先に言うてくれたっちゃ☀ するとうしろから走ってきた山賊の親分が、親切丁寧に教えてくれたっちゃね☻

 

「そげんむずかしい話やなか✌ わしらこん辺りの山ば縄張りにしとんのやけのぉ✍ やきー山の隅々までよう知っちょうのは当たり前じゃろうがぁ✌」

 

「納得♀」

 

 思わずうなずきば入れちまったこんおれに、彼女が叱責ばしてくれたっちゃね☠

 

「なん敵に相槌ば打ちよんねぇ! これって絶体絶命の大ピンチやない!」

 

 これにも納得♂ とにかく橋の両側ば山賊に固められたら、これはまさに絵に描いたような(彼女のセリフんとおり)絶体絶命の大ピンチやった☢ こげんなったら最後の手段は、下の川にドボンするだけなんやけどぉ……☠

 

「どげんしたと? 足ば震えとうっちゃよ☟」

 

 瞳を丸くしちょう彼女におれは、即行で疑問に答えてやったったい♨

 

「じ、実は……おれぇ……この世に苦手なモンが、ふたつばっかしあってやねぇ……♋」

 

 この期に及んで隠しようもなかけ、おれは小さな秘密ばそっと、彼女の右耳にささやいてやったと☹

 

 笑われるんは覚悟のうえでやね☢

 

「ええーーっ! あなたヘビが嫌い……は、今は関係なかけ置いといて、あなた泳げんとぉ!」

 

「しっ! 声がデカか!」

 

 おれのほうがデカかったけ☕

 

「おめえらふたりは黙っちょれ!」

 

 おれの大声ば耳にしてか、中年戦士から怒鳴られてしもうた☠ それも当然やろう★ このおっさんにとって今は、おれのカナヅチよか山賊に追い詰められちょる現状のほうが、遥かに重大問題なんやから✍

 

 そんなこんなでジタバタしちょううちやった☘ 山賊のハゲ親分がヘカトンケイレスば先頭に立てて、たぶん勝ち誇っちょう気なんやろうねぇ♨ ゆっくりおれたちんとこまで迫ってきたっちゃよ☠

 

「ここまで来たら、もう抵抗しても無駄っちゅうもんばい☻ わしらから盗んだモン、ここで出してもらおうやないけ☞」


前のページへ     トップに戻る     次のページへ


(C)2014 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved.

 

inserted by FC2 system