『剣遊記 番外編X』 第四章 超獣対怪獣、大阪湾大決闘! (17) 「ゆおーーっし! やったぁーーっ!」
「バルキムの勝利だがねぇーーっ☀♡☺」
超獣の完全完勝を見届けた荒生田と静香が、空の上にて大歓声を上げた。
まさに人の迷惑顧{かえり}みず(大阪湾の汚染も☠)、遥か上空で万歳三唱の凱歌をやりまくり。
でもってここで、彼ら(荒生田と裕志)を背中に乗せている銀色のドラゴン――到津からのひと言があり。
「荒生田さん、ちょと訊いてよろしあるか?」
「なんやっちゅうとや? こん忙しかときにやねぇ☠」
なんだか水を差された気分になったようで、荒生田の返事はぶっきらぼう気味。そんなサングラス戦士に恐縮しつつの感じで、到津が話を続けた。
「はい、そが〜にすまないある☢ てもとして荒生田さん、パルキムさんの角か武器てこと、あなた知てたあるか?」
「なんねぇ、そげんことねぇ♐ こげん忙しかときにやねぇ☠☻」
これは荒生田にとって、真に面倒臭い質問であったようだ。だけど口では『忙しかぁ☹』と二回もぬかしておきながら、実は荒生田は、余裕しゃくしゃくのツラ丸出し気分でいたのだ。従ってこの場はいつもの傲慢で、そげん知りたかとやったら答えてやるけんね――の態度。
「そりゃバルキムにゃああんだけゴテゴテした飾りが、それこそ体中に付いとんやけねぇ♐ やけんそん中から飛び道具のひとつやふたつ、サプライズで出るんやなかろっか……っち思うたっちゃねぇ✌」
「そ、そが〜な理由たたあるね……♋」
これにはさすがのシルバードラゴン――到津も、空中にて絶句の模様。ところが静香も、荒生田とは大同小異。
「まあ、いいだんべぇ♡ こうして勝ったんだからのぉ☺ 細かいことはおいたにしてだがねぇ☺」
やはり静香と荒生田は、かなりに似た者同士であるようだ。 (C)2015 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |