『剣遊記[』 第四章 見よ! 奇跡の大合体。 (24) そんな孝治、友美、涼子とは関係なし。清美の大言壮語は、まだまだ続いていた。
「待っときんしゃいよ、フェニックスん野郎ぉ! あたいがあたのそっ首、絶対かっさばいてもらってやるけんね!」
言動はさらに過激に、おまけに自己陶酔の域にまで達しようとしていた。
「…………☁」
これにはさすがに恐れを感じ、孝治たちは清美から、一歩ずつ後退をした。その理由は先ほども記したとおり、ひと言忠告を行なえば、たちまち清美からしばき倒される事態が明白であるからだ。
このような空気のため、だんだんとシラけてくる雰囲気など、まるでお構いなし。清美の『贈る言葉』が繰り広げられていた。
「安心して成仏するったいね! あたいがあんたの意志ば継いじゃるとやけ! 鷲のヒナもあたいが育ててやるったい! トクと共同ばってんけどな☻」
このセリフを聞いた徳力が、次のようにつぶやいた。
「あげん言いようばってん、鷲ん世話はけっきょく全部、ボクに押し付けられるんやろうねぇ〜〜♋」
もちろんその間も、清美の熱弁は止まらなかった。
「そうばい! 今度の闘技大会の格闘技部門に、三枝子の名ば付けた特別賞ば創るよう、あたいが委員会に提案してみるばい!」
さらに荒生田までが、悪乗りを始める始末となった。
「それやったら愛鳥団体からの賞状かて、オレが頼んでみるっちゃけ✌ なんちゅうたかて、鷲の保護にも尽力したんやけねぇ♐ あっと、もちろん三枝子さんの墓ば、ちゃんとした立派なモンば造ってやらんといけんねぇ♡」
ところが、そのとたんだった。
「駄目っ! お墓はまだ早いとやけ!」
いきなりパチッと瞳を覚まし、三枝子がみんなの見ている前でガバッと、まるでバネ仕掛け人形のように、上半身を起き上がらせた、
チュドオオオオオオン☠
全員その場で自爆をした。 (C)2013 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |