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『剣遊記[』

第四章 見よ! 奇跡の大合体。

     (10)

 フェニックスの今のセリフは前述のとおり、孝治たちにもビンビンに伝わっていた。

 

「う〜む、なんがあったか知らんちゃけど、あのフェニックスは以前にオレたち人間と、なんかトラブルがあっとうみたいっちゃねぇ✐ やけんそれで、人間不信にでも陥{おちい}っとうっちゃろっか☛」

 

「そげんやったらフェニックスっちゅうんは、神様よか人に近い感情ば持っちょうっちことですね✍」

 

「せからしかぁーーっ! 知ったしゃんなひちゃかちゃ御託ば並べんやなかぁーーっ!」

 

 ここで勝手に評論家気取りを始めた荒生田と徳力に、清美がいきなりの銅鑼声でわめき立てた。

 

「過去になんかあったかなんち関係なかぁーーっ! それよかあの鳥野郎は、人の真実っちゅうんが見抜けんのけぇーーっ!」

 

 さらにそのままの勢いに任せ、一気に火口をズザズザズザァァァァァァァァッァッと駆け下りた。

 

「うわっち! 危なかぁ!」

 

 もはや清美は孝治の止め声も、まったくの聞く耳持たずとなっていた。


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