『剣遊記[』 第四章 見よ! 奇跡の大合体。 (10) フェニックスの今のセリフは前述のとおり、孝治たちにもビンビンに伝わっていた。
「う〜む、なんがあったか知らんちゃけど、あのフェニックスは以前にオレたち人間と、なんかトラブルがあっとうみたいっちゃねぇ✐ やけんそれで、人間不信にでも陥{おちい}っとうっちゃろっか☛」
「そげんやったらフェニックスっちゅうんは、神様よか人に近い感情ば持っちょうっちことですね✍」
「せからしかぁーーっ! 知ったしゃんなひちゃかちゃ御託ば並べんやなかぁーーっ!」
ここで勝手に評論家気取りを始めた荒生田と徳力に、清美がいきなりの銅鑼声でわめき立てた。
「過去になんかあったかなんち関係なかぁーーっ! それよかあの鳥野郎は、人の真実っちゅうんが見抜けんのけぇーーっ!」
さらにそのままの勢いに任せ、一気に火口をズザズザズザァァァァァァァァッァッと駆け下りた。
「うわっち! 危なかぁ!」
もはや清美は孝治の止め声も、まったくの聞く耳持たずとなっていた。 (C)2013 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |