『剣遊記超現代編T』 第一章 某漫画家の転換、分裂!? (12) それからさらに、問題はまだまだ山積みの様相だった。
「で、今度はお兄ちゃん……やのうて、お姉ちゃん……たちの着るもんばいねぇ♋」
涼子が再び元孝治たち――孝江、孝乃、治花、治代の顔を、改めて右から順番に眺め回して言った。もはや誰が元Aで誰が元Bなのかは、みんな完全に忘れていた。
「もうよかよ、ストレートにお姉ちゃんで……☢」
一番右側の孝江が、ため息混じりで言葉を返した。それには構わない感じで、涼子が続けた。
「やっぱ、いつまでも男モンのまんまじゃおかしいっちゃけ⚠ ここはやっぱ、きちんと女ん子の服ば着るようにせんといけんねぇ✐✄」
前述のとおり、今の元孝治たち四人は、そのまま男物の服を着用中である。もともと用意などあるはずがないので仕方がないのだが、妹の涼子としては、やはりこのままでは変――と言う気持ちになっているようだ。
「……特に四人とも、ノーブラやけねぇ♐」
「「「「うわっち!」」」」
涼子の指摘で孝江、孝乃、治花、治代の四人は、そろって自分の胸に両手を当てた。男物のTシャツの下は、やはり男物のランニングシャツ一枚の格好なのである。
「で、でもやねぇ……☁」
自分の胸に手を当てたまま、治代が涼子に応えた。
「急にブラジャーやら要るようになったかて、やっぱ急には用意できんばい✄ 涼子から借りようにも、サイズがちっちゃいんやけ⛔」
言ってはいけない、ひと言だった。とたんに涼子がいったいどこから取り出したのやら。ハリセンで治代の頭をバチーンとしばいた。
「うわっち!」
治代の悲鳴! さらに真っ赤な顔となって、涼子が元孝治たち四人に言い返した。
「そ、そりゃあたしは妹なんやけ、お姉ちゃんたちよかあんまし成長しちょらんのは当たり前っちゃよ♨ まあ、それでも話ばポジティブに考えようとしたら、あたしもお姉ちゃんたちとおんなじ血が流れよんやけ、もうすぐお姉ちゃんたち並みに大きくなるっちゅうことやね♥♥♥」
「う〜ん、それは有り得るかも……☺」
孝乃が涼子の前向き発言に、納得のうなずきを入れた。
ちなみに四人のバストサイズは見た目ながら、涼子がサイズBだとしたら、四人の姉たちは確実に、サイズEクラスには達していた。 (C)2017 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |