『剣遊記超現代編T』 第二章 男一名イコール美女四名? (26) この騒動のあと、隣り部屋にいた六人のヤローどもは、元孝治たち四人に、完全に恐れを抱いた感じ。
「ど、どうも……すみませんでした☂☃」
「お、恐れ入りました☠☢」
恰幅男と角刈り男を先頭にしてペコペコと頭を下げたあと、逃げるようにしてさっさと、焼き肉店から退散した。
「で、こっちの損害は?」
気絶から覚めた砂津が、和布刈に顔を向けていた。幸いにして、暴れた場所が店外だったので、焼き肉店に与えた損傷はなし。一行は店への賠償を免れた。
ただ登場したとたんに相手のパンチを喰らい、いまだにKOされたままでいる荒生田とやらは、お連れであるらしいふたりと同僚の友美が付き添って、家まで送るようにした。
荒生田はどうやら、三人でふつうに焼き肉を食べていたようだった。それが孝治たちの騒動に遭遇。なぜかこちらを助けに入ってくれたらしい。
「きっと、お姉ちゃんたちが可愛いもんやけ、荒生田さん、白馬の王子のつもりでピンチに駆けつけたっちゃね☻ 友美さんとおんなじ出版社の人みたいやけ、いつかきょうのお礼ばせんといけんちゃよ☞」
「「「「わかっとうっちゃよ☹」」」」
元孝治たち四人、涼子の言葉に、そろって複雑な顔を浮かべるしかなかった。
「それじゃあ先生、きょうはもう帰りましょうか☕」
騒ぎからようやく落ち着いたところで、枝光が四人に声をかけた。
「レディーばかり五人だけで帰すわけにはいきませんから、先生の所までおれたちで送ってあげますよ☆」
「そ、そう……☻」
治花がいかにもバツの悪いような気になって、枝光の言葉にうなずいた。
「まあ、先生の本気の力をたった今見せてもらったばかりなんですけど、やっぱりここで解散ってわけにもいきませんからねぇ⛑ なあ、和布刈と井堀もいいだろ♐♐」
「はい、もちろん!」
「送ってさしあげます!」
先輩である枝光が言えば、後輩のふたりに異議はないようだ。もともと断るなど、ありえるはずもないし。また最年長の砂津も、率先して家路の先頭に立っていた。
「それじゃ帰ろうか⛴ なんだかんだ言っても、都会の夜は狼🐺だらけだからなぁ⛐⚠」
その声をうしろから聞きながら、涼子がくすくすと微笑んでいた。
「ったく、ちょっと本性ば見せたところで、やっぱ『可愛い♡』ってお得ってことやねぇ☻ こげんみんながお姉ちゃんたちば大事にしてくれるんやけ、今度給料ば大きく弾んでやらないかんばい✌✌」
元孝治たち四人、孝江、孝乃、治花、治代が、これまた声をそろえて涼子に返してやった。
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