『剣遊記超現代編T』 第二章 男一名イコール美女四名? (24) ヤローどもはやはり、元孝治たち四人をイカれた女たちだと思って、完全に舐めてかかっているようだ。
さらに同じ顔が四つも並んでいるなど、もはやどうでもよくなってもいた。
「ちょっとネーちゃんたち、少々腕に自信があるからって、少しはお淑やかにしたほうがいいぞ☻」
焼き肉店の正面入り口から出た所で、まずは頭を角刈りにした男が寄ってきた。
その男の胸ぐらを、孝江が奇襲。両手でガシッとつかんだ。しかもそのまま背負い投げ!
「わわあーーっ!」
角刈りは背中からアスファルトの路面にドカンと叩きつけられ、速攻で意識を失った。
「げげっ!」
「強いじゃんか!」
意表を突かれて怯んだ男どもの隙を、(酔っていながら)残りの三人は見逃さなかった。
「たあーーっ!」
まずは治代がメガネをかけた男を、路上から巴投げ{ともえなげ}でぶっ飛ばした。さらに殴りかかろうとしてきた悪漢ふたり(ひとりは例の恰幅で、もうひとりはハゲ頭)を、孝乃と治花が共同して、真正面からの飛び蹴りキック!
「「このアマぁーーっ!」」
「てえーーっ!」
「とあーーっ!」
初めの怒声が悪漢ふたりで、あとの掛け声が孝乃と治花である。結果、悪漢ふたりは、これまた顔面にまともなキックをバコーーンと喰らって、後方五メートル先まで吹き飛んだ。
なんだかいつの間にやら、元孝治たち四人は泥酔状態から、完全に冷めているようでもあった。
「「「「次は誰けえ! しばくぞ、きさぁーーん!」」」」
敵の主力四人を片付けたところで、元孝治たち四人は残っているふたりを、瞳をそろえてギロリとにらんでやった。
「ひっ!」
「す、すいませんでしたぁ!」
残った相手方のふたり――まだまだ十代後半ぐらいの若造ふたりは、腰を抜かしたらしかった。真に情けなくも、地面に尻餅を付けていた。 (C)2017 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |