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『剣遊記超現代編T』

第二章 男一名イコール美女四名?

     (14)

 予測もできなかった騒ぎも、一応は収まった。それでも数人残った幼児たちが、まだまだワイワイしている中だった。おっぱいにまとわり付く幼児たちをなんとかして鎮めつつ(?)、元孝治たち四人はようやく、本来の目的であるシャワーの恩恵に、そろって授かった。

 

 とにかく予想外に疲れ果てた体をシャワーで癒しながら、元孝治たち四人は改めて、自分たちのおっぱい談義に入ったりする。

 

 けっこう懲りない性格なのだ。でもってシャワーで髪を濡らしながら、右端の治花が言った。

 

「……う〜ん、こげんして並んだらおれ……あたしたちって、ほんなこつ見事に同一なおっぱいっちゃねぇ♋」

 

 改め直して横一列になると、形状はまさにベスト賞もの。男女を問わず、誰もが理想とするバストのかたちと言えた。これだと多少の、うぬぼれ感も生じるかもしれないほどに。

 

「お姉ちゃんたち、今のところなんやろうけど、大きさもかたちも、ほんとにまったく差が無いっちゃねぇ☻」

 

 涼子がそんな姉(?)たちを、真正面にて体育座りで見つめていた。無論全員真っ裸中である。しかも涼子の周囲では、幼児たちもタイルの上にそれぞれ腰を下ろして座り込み、やはり元孝治たち四人を見物していた。

 

 しかし、いくら身内と低年齢層ばかりとは言っても、こうしてモロに見られると、正直だんだんと恥ずかしくなってくる。たった今、別次元での騒動があった――としても。

 

 だけどそうした恥の中だからこそ、どうやら飛躍した発想が出てくるものらしい。その突飛極まる発言を、いきなり治代が言い出した。

 

「こ、この際やけ……女体の神秘っちゅうもんに、一度存分に触れてみるっちゅうのはどげんやろっか?」

 

「「「にょたいの神秘け?」」」

 

 残りの三人である孝江、孝乃、治花の声が、やっぱり見事に重複した。それでも治代の言いたい話の内容は、だいたいわかっていた。

 

「なるほど、あたしたちって今、エッチ系の作品ば描きよんやけ、この際もっとくわしゅう勉強せえっちゅうことやね☻ 例えば女の人ん体のどっから、赤ちゃんが出てくるとかね☛」

 

「それやったら言い出しっぺの治代のば見せてもらおうっちゃね✌

 

「うわっち!」

 

 そんな治代の提案に、孝乃が感心した気持ちとなった。続いて孝江が、超積極的とも言えそうな提案をブチかました。

 

 とたんに治代が、頭をビュンビュンと横に振った。ある意味藪をつついてヘビを出した感じ。

 

「ちょ、ちょっと待ってや! こんなんはやっぱ、平等にジャンケンで決めることばい! 誰が犠牲になるか、ここではね✋✊

 

「まあ、ええやろ そんじゃみんなでジャンケンばい

 

 治花が真ん中を取り持つような格好になって、とにかく四人はシャワールーム内での、『誰が人身御供になって、教材として女体の神秘を見せるのか☛』を、決めるようにした。

 

 涼子や幼児たちが周りで見ている、その前で。


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