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『剣遊記W』

第五章 嗚呼、女戦士哀史。

     (10)

「それもこれも全部先輩のせいやけね! 今度ばかしはおれも堪忍袋の緒が切れたっちゃけ!」

 

『切れたら……どげんすると?』

 

 ようやく休憩時間となり、舞台の脇に座り込んでもなお、孝治は荒生田をなじり続けた。

 

 そんな孝治に、涼子がしつこく尋ねた。これにまた、孝治はすなおに応じてやった。誰でも良いから言ってやりたい文句が、まだまだ胸の中に山と積まれているのだ。

 

「いつか息ん根ば止めちゃるけ! それから首ば絞めてベロ引っこ抜いて逆さ吊りにして鞭でしばいて叩いて蹴って壊して……それからえっと……☠✄」

 

『なんだか順番違ごうとうばい☞ それに蹴ったりしばいたり叩いたりって、いつも孝治が先輩にやりようことやない……あっ、噂ばすれば、その先輩の登場やね☛』

 

「あっ、ほんなこつ☆☠」


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