『剣遊記超現代編T』 第五章 これからの未来、わかってないけどやめられない。 (1) 「よぉーーっしっ! 撮影終了っ!」
最終日は荒生田ではなく、カメラマンの中原が終わりの号令を掛けてくれた。これは三日近く続いた元孝治たち四人のモデル撮影が、本当に終了した宣言であった。
その声を聞いて孝江が芝生に腰を下ろし、深いため息を思いっきりに洩らした。
「ふあ〜〜、やっと終わったっちゃねぇ☕」
撮影の後半は、ほぼ真っ裸の連続。従って、終わったばかりである今も、四人は全裸で野外に放り出されているまま。一応私有地の中なので、法律上の問題は無いらしいのだが。
すぐに友美と涼子が、そんな元孝治たち四人の肩に、バスタオルではなく毛深い毛布をかけて回った。これはさすがに男衆の仕事ではないので、和布刈たちアシスタントの面々は、カメラマンスタッフたちと並んで、元孝治たち四人に背中を向けていた。
「いや〜〜、長生きはするもんだねぇ☻ こうして美しい女性の裸を、仕事で堂々と見ることができるんだから✌」
背中を向けていても、和布刈のスケベ体質は変わらなかった。ついでに『長生き』などとぬかしているが、和布刈は孝治と同年齢のはずである。
「じゃあ部屋に帰って、服着ましょうか☺☞」
「「「「うん☕」」」」
友美の勧めで、四人は芝生の上から立ち上がった。すでに何時間もヤローどもの目に晒されているので、裸でいること自体には、もう元孝治たち四人は慣れっこになってもいた。
それでもようやくである、モデル仕事の終了なのだ。
「もう、いくら漫画が売れたかて、こげな仕事は二度とせんけね⚠⛔」
治代が友美と涼子と残りの三人(孝江、孝乃、治花)だけに聞こえる声で、お終いのひと言を吐き捨てた。 (C)2018 Tetsuo Matsumoto, All Rights Reserved. |